渋谷区 広尾 恵比寿 動物病院

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お腹を開かない避妊手術

お腹を開かない避妊手術 ~腹腔鏡~

避妊手術という言葉は、女の子のわんちゃん猫ちゃんを飼われた飼い主様であれば、一度は聞いたことがあると思います。

どういった手術なのでしょうか?

簡単に言えば、お腹の中にある卵巣および子宮を摘出する手術です。この手術を行うことで、乳がんの予防や卵巣や子宮の病気を限りなく少なくさせることが可能となります。

さらに、避妊している子はしていない子と比較して寿命に少し長くなる傾向にあることが言われています。このことから、動物病院でも避妊手術(卵巣摘出術、卵巣子宮摘出術)は多く行われている手術です。

一般的な避妊手術は、お臍の下を2~3cm程度切開して開腹した後に卵巣や子宮を摘出する方法で行います。

また、これとは別に5mm程度の切開を3箇所ほど縦に作り、そこに専用の機械をいれて卵巣と子宮を摘出する方法があります。この方法は腹腔鏡と呼ばれており、様々な手術で使われています。

ではこの2つの手術法の違いはどこにあるのでしょうか。

最大の違いは、傷口の大きさと術後の回復度合いにあります。

お腹を開かない避妊手術03

腹腔鏡手術の傷口は1つ1つが小さく、それに加えて術後や手術後に皮膚が治った時も傷口が目立ちにくいのが特徴です。

そしてもう1つは術後の回復の違いです。

腹腔鏡手術では、専用のトロッカーから鉗子や血管を処理する機械を入れて卵巣を摘出します。お腹の中で鉗子や機械を動かすために、お腹を膨らます必要があります。これを気腹と読んでいますが、炭酸ガスを使用しています。

二酸化炭素のため臓器への影響は少ない一方で、開腹手術においては通常の空気(酸素や二酸化炭素、窒素など)が臓器と触れ合います。これによって腸の動きが悪くなり、癒着という臓器同士がくっついてしまう状態が起こりやすくなります。

以上のことから腹腔鏡手術では、腸の運動や癒着が少ないため、術後の食欲の回復や痛みの程度が少ないとされています。

ここまででは腹腔鏡の手術の利点はとても多いと感じられると思います。デメリットとしては、手術時間が一般的な開腹手術よりも長くなることです。

当院では、腹腔鏡手術を用いてよりわんちゃん猫ちゃんに負担の少ない手術を心掛けていくと同時に、より安全で安心して手術をできるような環境づくりやインフォームドコンセントを心掛けております。

今後手術法などで迷われた場合には、いつでもご相談いただければと思います。